学習アドバイザー養成プログラム(コース3)

2024年11月開講(9月上旬申し込み開始)

神田外語大学学習者オートノミー教育研究所(RILAE)は、2024年11月、「学習アドバイザー養成プログラム:コース3」を開講いたします。

コース1(Getting Started:開始)では、学習者オートノミーの成り立ちや、言語学習におけるアドバイジング(ALL)の定義、そして意識改革アドバイジング(Kato & Mynard, 2016)の概念をご紹介しました。また、12のアドバイジングの基本スキルやリフレクティブ・ダイアローグを促す6つのテクニックを、実践的なアクティビティを通して学びました。コース2(Going Deeper:深化)では、学習者がより深く振り返るように導くことで、学習者の視野を広げるサポートに重点を置き、視点や発想の転換を促す対話について学びました

本コース3(Becoming Aware:意識化)では、学習者が自身について、意識的・意図的に認知することの意味を探求し、それぞれの学習者のメタ認知能力の発達段階に応じた対話をする方法、対話の中でアハ体験を誘発する方法、そしてセッションにおける重要な瞬間の受け止め方などを学んでいきます。また、コース3では想像力(imagination)を使ったセッションの方法をご紹介します。

コース3の受講資格としては、本プログラムのコース1(日本語版または英語版)をすでに受講している必要があります。

コース3の目標

  • より複雑なケース(相談内容)に対して、様々なアドバイジングスキルを応用しながら対応できるようになる。
  • 学習者の発想や視点の転換を促すことによって、新たな発見を促す方法を学ぶ。
  • セッション中に遭遇する重要な瞬間への対応方法を学ぶ。
  • 学習者が「気づき」を「行動」に変えるためのサポートができるようになる。

コース3の授業形態

  • 週1回のzoomによるオンライン講義(2時間)+講義後のディスカッション(1時間程度)を3回実施
  • インタラクティブなやり取りを中心とする実践的な講義への参加(カメラおよびマイクオン)
  • 講義参加にあたっての事前課題や講義後の課題の実施
  • 講義後の課題に関するリフレクションを共有するオンラインフォーラムへの参加

学習アドバイザー養成プログラム:コース3」開催概要

【日 時】  2024年11月24日、12月1日、8日 各回10:30~12:30 
      講義後、最長1時間のディスカッションあり(任意参加)
【実施形態】  Zoom
【定 員】      30名

【参加条件】 教育に携わる教員・職員、学習アドバイジング、コーチング、1対1の対話を通して学習者の自律性を高めることに興味のある方(社会人・院生)が対象。ペアワーク、ディスカッションが中心の講義となりますので、マイクやカメラのご準備をお願いします。本プログラムコース1を終了していること、また、「オンライン講義を受講するに当たってのルール」への同意を参加条件としたします。

【受講料】   33,000円(税込・3日間、デジタル教材費込み)
      * 神田外語グループ関係者  23,000円

事前課題】
コース1やコース2で学んだことを生かし、30分程度のセッションを学習者(または同僚)と行い、以下の点についてリフレクションをしましょう。Week1のディスカッションのトピックとして活用します。

  • 学習者にとってアハ体験(ハッとするような気づき)と呼べるような瞬間はありましたか?
  • アドバイザー自身にとって、アハ体験と呼べるような瞬間はありましたか?
  • セッションを通して、なにか気づいたことはありますか?
  • もっとこうすればよかったと思うことはどんなことでしょう?

Week1:アハ体験(Aha-moment)を促す対話

  • これまでの内容の復習
  • 事前課題の振り返り
  • 「意図的に認識すること」の意味とは
  • 「アハ体験」とは何か?
  • アドバイジングセッションで「アハ体験」をどのように誘発できるか?
  • 学習者のアハ体験に、どのように対応するのか?

Week2:想像力を活用した対話

  • アドバイジングにおける想像力の活用法
  • 想像力とは何か?
  • なぜアドバイジングにおいて想像力が重要なのか?
  • 想像力のスキルをどのように発展させるか?
  • 自分の「ベストセルフ」を探求する
  • アドバイジングにおけるL2動機付けシステム
  • 授業における想像力トレーニングの活用法

Week3:「気づき」を「行動」につなげる対話

  • セッションにおける重要な瞬間とは何か?
  • 学習者が行動を起こすためのサポートの方法とは?
  • 学習者/アドバイザーの「気づき」をを「行動」に繋げる方法

【申し込み方法】9月上旬、本サイトにて申し込み開始

【問い合わせ先】rilae@kuis.ac.jp

【指定図書】

  • リフレクティブ・ダイアローグ 学習者オートノミーを育む言語学習アドバイジング』加藤 聡子,ジョー・マイナード 著/義永 美央子,加藤 聡子 監訳(大阪大学出版会、2022)

上記の書籍は、本コースの英語版で使用されている以下のKato & Mynard (2016) の日本語翻訳版です。

  • Kato, S., & Mynard, J. (2016). Reflective dialogue: Advising in language learning. New York, NY: Routledge.
[Satoko Kato, Jo Mynard]のReflective Dialogue: Advising in Language Learning (Research and Resources in Language Teaching) (English Edition)
  • 学習意識改革ノート』加藤 聡子,義永 美央子(大阪大学出版会、2024)
    *アドバイジングで使用するワークシートを収録しています。

【参考図書】

その他、学習アドバイジング、学習者オートノミーに関する書籍

  • 『学習者オートノミー―日本語教育と外国語教育の未来のために (シリーズ言語学と言語教育)』青木 直子・中田 賀之(編)(ひつじ書房、2011)
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その他、授業内でも文献の紹介をいたします。また、英語版英語版プログラムで推奨されている文献はこちらをご覧ください。

RILAE認定アドバイザー資格制度について
RILAEの学習アドバイザー養成プログラムの英語版(Advisor Education Program) は、全5コースから構成され、5コースを終了することによりLearning Advisor Certificationが発行され、RILAE認定アドバイザーの資格を取得することができます。また、5つのコースを終了した認定アドバイザーは、その後、Advisor Educator Certificateプログラムを開始することができ、一定の条件およびRILAEのクラス運営などをTA(ティーチングアシスタント)としてサポートすることよにり、RILAE認定アドバイザー教育者(トレーナー)となることができます。

この度、日本語版プログラムでは、コース1、コース2、コース3を終了することにより、アドバイザーとしての基本スキルと知識を習得したと認定し、日本語版RILAE認定アドバイザーの資格を発行いたします。日本語版認定証は「アドバイザー」としての基本知識とスキルの取得を認定するものです。引き続き、Advisor Educator Certificate(アドバイザー教育者・トレーナー資格)の取得を目指される方は、英語版Course 4およびCourse 5をご受講ください。

英語版プログラムへの移行に関して

一定の条件を満たすことで、英語版のプログラムへ移行することができます。日本語コースから英語コースへ移行する際は、同コースで学んだことに関して、1500ワード程度のペーパーを英語で提出していただき、英語でのコース参加が可能かの審査(英語での面接を含む)をさせていただきます。ご質問がある方は、rilae@kuis.ac.jpまでお願いいたします。